top of page
検索
  • 執筆者の写真中山 孝一

小桜十夜 <オープナー>

 沖縄はいわずと知れた缶詰王国、朝昼晩の食事に加え弁当でも何かしらの缶詰食が入っている。代表的なポークランチョンミートやシーチキンなどはどこの家庭でも箱で保管している。箱というのはケース買いをするのでそのままケースで保管、使う時にそこから出す。つまりそれほど多用するということである。

  

 その他にも、キャンベルのスープ類やコンビーフハッシュドらもあり、沖縄は手抜きの家庭ばかりかと思われるが、こうなったのは沖縄独自の時代背景がある。戦後の食の変遷。これも基地を背負わせられた沖縄のもう一つの負の現実。この件は後述すことにして今回はこの缶詰を開ける際に必要な缶切りや栓抜きのこと。昔はオープナーといった。県民にはなくてはならない必需品がこのオープナー、これがないと食事にありつけない。なかでも重宝したのが三徳缶切りというもの、一つで缶切り、栓抜き、コルク抜きができる優れものだ、最近の缶詰は缶切りが無くても開けられるものが多く缶切りを使う場面がみあたらない、飲み物にしても瓶のビールやコーラは主流では無くなっているので栓抜きの出る幕がなくなっている。

 

 ところで、小桜には貴重なオープナーがあるのをお気づきだろうか、日めくりカレンダーの下にひっそり隠れているコカコーラの壁付き栓抜きだ、沖縄中にあるマチヤーグアー(雑貨店)の柱には必ずあった。自動販売機のない時代はこれでコーラやビールの栓を開けたのだ。試しに開けてみてください、コツがいります。一発で開けられたらそのビール奢らせていただきます。


閲覧数:46回1件のコメント

最新記事

すべて表示

昼呑みのすゝめ ②

午前中は軽く汗を流しシャワーを浴びた後は昼呑みのできる居酒屋へ行ってみよう。キンキンに冷やしたグラスに黄金色と白色のバランスがほどいい液体ををゴクッ、ゴクッ、ゴクッとやってみる。口から出るのは、ブツフア~!という叫び、さらにグイッ、グイッで又ブツフア~! テレビからしつこく流れる、これおいしい~、とか、うまいね~、とか、のみやす~い、とかという冷静なコメントはでてこない、飲んだ後はどのビールでもブ

昼呑みのすゝめ ①

昔の話、出先の食堂で見た光景。ニッカポッカを着た中年の大男と小さい若い青年が入ってきた。店員に「あれ!」と言っただけで出てきたのは並々と注がれたコップ酒、それを二人とも一気に飲み干したあと食事をした。実に鮮やかな呑みっぷりでかっこよかった。 高所の作業の緊張を和らげるために飲んだのだろうか、酒の効用というものか・・・世間一般でいわれる、真っ昼間から酒飲んでこいつらは、という蔑みが消えて憧れを感じた

小桜十夜 <ジュークボックス>

今の世はいろんな分野で最新のテクノロジーを競い合っているが、昔のアナログ時代でも驚くべきテクノロジーがあった。それは、ジュークボックスという自動音楽再生装置。今は携帯電話からタダで音楽が流れてくるが、その前はCDやMDという媒体を使い、もっと前はレコードやカセットテープなどで音楽を聞いていた。そのレコードが何十枚と入ったボックスにコインを入れ選曲すると機械が自動的にレコードを選び曲が流れる。そんな

bottom of page