中山 孝一

3月26日2 分

Aボール物語 ①

 小桜の酒のメニューに「Aボール」というものがある。ハイボールがウイスキーの炭酸割りなら「Aボール」は泡盛の炭酸割りとなる。AはAWAMORIのA、わかりやすい。近年のハイボールの人気ぶりから泡盛の炭酸割りの名称もありそうなものだったがなかなか出てこなかった。それならば小桜でつけようということになりAボールが誕生した。しかし、小桜だけの名称とは限ってはいない、どの泡盛でも炭酸で割れば、何処ででも誰がでも「Aボール」と言い合おうということにしている。

 最近、各泡盛メーカーが炭酸割り用の泡盛と銘打って新商品を出している。長い間の低迷から脱出をはかった泡盛業界、泡盛の炭酸割りでさらに上昇気流に乗ることを期待したい。

 さて、今の世、何処の酒場でも普通に泡盛が置かれている光景をみると隔世の感を禁じえない、昔は、泡盛はくさい!きつい!というのが万人のもつ泡盛観、よって今のように幅広く飲まれているわけではなかった。当時はウイスキー全盛時代、そんな時代でも、昔からの泡盛ジョーグーたちが絶えることはなかった。どうにかして泡盛を飲みやすくする方法を考えた。それがアメリカから来たコカコーラで割ることだった。元はウイスキーをコカコーラで割った「ウイスキー・コーク」というカクテルで「コークハイ」といった。アメリカーがやってることを真似た。泡盛でも同じく「コークハイ」といった。

 これは流行った。くさい泡盛がおしゃれなカクテルに変身した。コカコーラの他にセブンアップで割る方法もあった。セブンアップはレモン味の炭酸なので今でいうハイサワーってとこか、いつの時代でも酒飲みは知恵が働くものだ

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