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  • 執筆者の写真中山 孝一

「命を守る行動をとってください」

この数年、災害時になるとやたらとこの言葉が盛んにテレビから流れるようになった。東日本大震災後、国やメデイアはかなり神経質になったことがうかがえる。さして大きくもない災害でも早くから危機感を煽る。しかし、なかなかすぐには理想的な行動はとれないもので何かしらの災害が起きてしまう。人間は常に自分だけは大丈夫という確信があるようで、これは本能なのか、それとも逆に現代文明の発達から危機管理の本能が削がれてしまったのか

 この「命を守る行動をとってください」という言葉を我が身におきかえてみた。その行動を取らざるを得ない状況が迫って来たのだ。というのは、ある日、孫を膝の上に置いてテレビを見ていた時だった。座っているソフアーの横の壁には鏡があり、何気にその鏡をみたら何やら見慣れない大きな肉の塊が見えた。なんだろうとよくよく見ると、なんとそれは自分のお腹だった。我が目を疑った。人間のものとは思えない物体だった。孫はどうやらクッションだと思っているようだ、気持ち良さそうに僕の腹に寄りかかっている。

 その後孫をそっとソフアーに座らせ、改めて我が身を鏡に映し出した。普段は正面からチラッとしか覗かない姿をいろんな角度から見てみた。どこから見ても幅が全て一緒だった。上から見るとでかい真円の真ん中に小さい円(頭)が乗っている形になる。想像してゾッとした。

 この数年、年に何回かの血液検査ではいつも高い数値を出しているのは決まっている。みな飲みすぎと肥満から起こる要素ばかりだ、主治医はいつも同じことを口にする。「やせんと危ないぞ、」と、こっちは、いつも同じことばっかり言って、と意に介しない。「生活習慣病」という病が発生しているのにその自覚が全くない、そもそもこれが病気だという意識がない、よって普段の生活態度は全く変わらない。

 これはまさしく「命を守る行動をとってください!」と叫んでいるのに、我関せず。ダイジョウブ、ダイジョウブだよー、と災害を目の前にしてに悠然とたかをくくっている状態だ。孫の顔をじーっと見ながら、しばらく考えた。70歳を前にしてここで改心がなければ後がない、ここらで主治医の言葉を真剣に受けてみようと思った。よし!何回か目の減量に挑戦だー!

 いろいろ調べた。1キロの体重を減らすのに7200kcalの消費が必要という、7200を10で割れば720になる。720kcalを10日間続けて消費すれば10日で1キロの減量、1ヶ月で3キロの減量になる。と、シンプルに考え、これで行こうと決めた。これはもう人体実験だ

 11月1日から実験を始めた。食事での摂取カロリーを極力1日1500kcalを目標にした。もちろんその中に酒も含めた上だ、つまみもこれまでにないほど慎重にカロリーを計算し、量と質を重視した。その上に運動で消費エネルギーをあげた。例えば自転車は20分で100kcal、ウオーキングは30分で100kcal、その他筋トレ、階段上り、縄跳び等、摂取したカロリーをこれら運動で消費するという癖をつけた。

 僕のイメージとしては目の前に10キロの粘土があり、それを毎日100グラム削りおとして行く感じだった。それは10キロの粘土が我が身にこびりついているのを日々100グラム削って捨てるということだ。

 粘土とは脂肪のこと。この理論(?)が当てはまれば100日で10キロの体重が落ちることになる。さて11月1日から始めた実験はどうだったでしょうか、11月30日には当初より3キロ落ちているはずです。

 結果3.3キロの減量に成功しました。しかし粘土は10キロです。あと7キロ残っています。もちろんその後も継続しております。しかし、この実験は「減量作戦ー135日間の闘い」と銘打ちました。135日間ですから13.5キロ減量作戦です。この闘いは、2021年3月15日終了の予定です。

 「命を守る行動をとってください!」「はい!頑張ります!」




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