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  • 執筆者の写真中山 孝一

牧志界隈を歩く その四

更新日:2020年6月16日


 牧志には1~3丁目がある。二丁目の範囲を見てみよう、起点は牧志ウガンと呼ばれているところから、ウガンとは御願と書いたり、拝所のことをうがんじゅと読んだりするところから来ていると思うが、僕にとっては小さい頃ここで毎日野球していたから、ウガンとは球場だと思っていた。ここがこの地域では重要な拝みどころ、”東の御嶽”(あがりのうたきと読む)だと気づいたのはだいぶ後のこと。今では牧志公園とも呼ばれているが、御嶽は立派に建て直されて鎮座している。年一回行われる奉納相撲の会場でも有名で、相撲といても沖縄角力(すもう)といって、韓国のシムルに似た格闘技で全島から選ばれた猛者が集まる。生で見るとかなり迫力がある。子供4人が小学生の頃は全員この大会に参加していた。いつも持って帰るのは賞品のラジカセ、いっとき家中がラジカセだらけになった。 *御嶽(うたき)は琉球独特の神事が行われる場所

 さてそろそろ出発、右手に安里川が流れ、その上の橋がサイオン橋という。これも漢字で書くと”蔡温橋”となる。沖縄では有名な歴史上の人物名。長いアメリカ統治下の影響か沖縄ではなんでもカタカナに変えることが多い、特に選挙の時の名前をカタカナで簡略したものは結構笑える。今度特集してみる、乞うご期待!

 安里川沿いを進むと、左手にマックスバリューがみえ、その向かいの坂を登ると”新都心”という不可解な街に出る。ここが新都心ならわが街は旧都心になるのか、やっかみでは無いが、出来て20年近くになるが未だ居心地がいいといえない地域だ、牧志外なのでこれ以上は言及しない

 さてマックスバリューを少し進むと”崇元寺橋”がある。尚家を祀る崇元寺があったが今はその入り口のアーチ門だけが残っている。この橋らへんに昔ちょっとした物語がある。このあたりを”十貫瀬”と書いてジュッカンジとよむ。十貫はお金、瀬は川の浅瀬のこと、昔離島からの旅人がこの辺で十貫を落とした。数年後に来たらこの浅瀬に同じ十貫が置かれていたという、よくある話が伝わっている。

 ここを左に向かう真っ直ぐな道を”長虹堤”というが詳しくは又にして、先急ごう、川沿いをさらに進むとまた橋にあう。”なかよしばし”という可愛い名がついている。

 この橋の手前で安里川は分離する。右手に行けば泊港へ流れ、左にいって久茂地川となる。そこをさらに行けば”美栄橋”にあたる。そこから川はさらに右に分かれ”潮渡川”となって若狭の海岸に流れる。この美栄橋の交差点を左に折れると。沖映通りになる。

 ここで一つの疑問が生まれる。前回書いたガーブ川は水上店舗や道路に覆われたりしながらジュンク堂手前でやっとシャバに出る。が、沖映通りは美栄橋まで続く。ジュンク堂から美栄橋交差点までの道路の下は一体どうなっているんだろう?

 もどって、沖映通りを歩こう。左の糸嶺会館の地下には今や死語になった(デイスコ)”イエロー”があったなあ、さらに進む、信号を右に渡るととパラダイス通りへ(ここは一丁目の時に詳しく)左手すぐに、老舗ホテル”山一”がある。最近リニューアルがやっと完成した。その矢先にコロナが来た。経営者はやりきれないだろうなあ。さらに進んで、国際通りの角”スタバ”を左手に行くと起点の牧志ウガンにもどる。これが牧志二丁目の外周、次回はこの中をのぞいてみる


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