検索
  • 中山 孝一

牧志界隈を歩く その十五

 沖映通りからパラダイス通りに入る。この界隈はおそらく、この5年か10年の間には大きく変わるだろうと思われる地域だからじっくり見ておきたい、右手には緑ヶ丘公園に続く緑地があり、左手には国際通りの裏の緑地があり、その間にあるのが「パラダイス通り」。昔はこの両側をつなぐ広大な森が、というより広大な墓地があり、その中を突ききったようなと想像される道だ、この両側には未だ多くの墓がある。まさにあの世のパラダイスといえるのか、といっても「パラダイス通りの」命名は別にあって、昔はこの通り、ダンスホールがひしめいていた。その中の一つが「ニューパラダイスダンスホール」で、その店にちなんでこの通り名が生まれたと云われる。

 居並ぶダンスホールはどれも、おしゃれな感じではなかった。が、当時はこれといった娯楽もなく、若い男女は競い合うようにダンスの習得に青春をかけ、どこも連日満杯だった。とは、毎晩この辺りに通っていたという大先輩の話。まさに現代版「もーあしびー」   

 パラダイス通りのすぐ右手におしゃれな公衆トイレがある。なんとかという景観賞をもらったという作品らしいが、ゆっくり歓談する気にはなれないスペースがもったいない気が・・・

 この通りは、国際通りと趣の違う個性的な店が点々としてあり、結構楽しめる。小さなセレクトショップや南米のバーや中国茶やらの店、沖縄そばの製麺所や、サッカーフアンにはたまらんスポーツバー、人気のつけ麺や、と色々ある。その中で一押しのおしゃれなカフエーがある。「トックリキワタ」という。まだできて3年足らずだが結構な人気店である。オーナーは斎藤 進さん。埼玉での教員生活をやめて沖縄に移住、いつのまにかこんな素敵な店を開いた。何から何まで、斎藤さんのこだわりが感じられ、とにかく落ち着く空間だ、入り口に看板犬”ボス”が迎えますよ

 ところで、昔からこの通りを不思議に思っていたことがある。「パラダイス通り」をまっすぐ行ってもその数十メートル先にある一銀通りにつながる道がいつまでもできないことである。一銀通りには右手の細い道を行けば出れるが、車で行こうと思うと国際通りを迂回しなければと行けない、なんとも言えない不便さを感じる人は多くいるはずだ、まっ、ここだけではなくこういう不可解な道が多いのも那覇の特徴だが・・    

 しかし、来年2021年春には、少し向こうの一銀通りにある、旧久茂地小学校跡に「那覇市民会館」が完成する。となるとこの界隈の道はどこも狭すぎる。

「那覇市民会館」は1970年に与儀公園に隣接する場所にでき、1972年の沖縄復帰記念式典が、当時の佐藤総理大臣参加の下ここで行われたことは記憶の彼方になった。その市民会館が老朽化のために、旧久茂地小学校の跡地への移転が決まった。そのために久茂地小学校は前島小学校との統合を余儀なくされた。僕らの年代では久茂地小学校は名門であった。島サバの前島小、靴だけの壺屋小、久茂地小はハイソックスをはいての登校。久茂地小の廃校には一抹の寂しさが・・・

 脱線した。「那覇市民会館」がこの地に立つには当然周辺の整備も付いてくる。この界隈の景観が大きく変化することが予想される。これまでも那覇市民の中心拠点だった「那覇市民会館」が那覇のど真ん中に来ることになる。単なる箱物ではなく、これからも真の那覇市民の拠点となりうることを期待している。

 おそらく今度こそは、「パラダイス通り」→「一銀通り」の可能性大なり。

閲覧数:85回0件のコメント

最新記事

すべて表示

今年1月31日、ジュンク堂で本を物色していたら、知の巨人と云われた、立花 隆の「自分史の書き方」という本が目に入った。知の巨人にしては意外なタイトルだな、と思いながらもパラパラと捲ると、時間を忘れるぐらいの立ち読みをしていた。この時点で次なる行動は決まった。翌2月1日から、「自分史」を書き始めていた。本棚を見ると、某新聞社が出した「自分史テキスト」なるものがあった。数年前に購入しているが中には何も

イソップ物語ではない。僕がかれこれ40年ぐらい通っている、ジャズライブの店「ライブイン寓話」の寓話である。時は1980年、友人が良い店があると連れて行ったところが、当時東町にあった「寓話」。約6坪ほどの小さな空間のほとんどをグランドピアノが占めていた。5席ほどのカウンターに4人がけのボックスが一つという、こじんまりとした店だった。友人がいう良い店というのは、カレーが実にうまい、ということだった。確

おふくろという言葉は、もはや死語だろうか、「おふくろの味」となれば更に遠く、昭和の匂いがしてくる。あの当時「やっぱ、おふくろの味が最高だよな」とか「これ、うちのおふくろの味にそっくりだ」とか、やたら「おふくろの味」のフレーズが聞かれた。一説にはマザコン男子の特許とも・・・否めない そもそも、「おふくろの味」という実態はなく、その味は千差万別、それぞれが持つ記憶が、味の決め手となる。最近の調査では若