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  • 執筆者の写真中山 孝一

昼呑みのすゝめ ②

 午前中は軽く汗を流しシャワーを浴びた後は昼呑みのできる居酒屋へ行ってみよう。キンキンに冷やしたグラスに黄金色と白色のバランスがほどいい液体ををゴクッ、ゴクッ、ゴクッとやってみる。口から出るのは、ブツフア~!という叫び、さらにグイッ、グイッで又ブツフア~!

 テレビからしつこく流れる、これおいしい~、とか、うまいね~、とか、のみやす~い、とかという冷静なコメントはでてこない、飲んだ後はどのビールでもブツフア~!のはずである。つまみは、鶏皮から鶏油を取ったあとにできるー鶏皮チップスーがあう、ビールがすすむ、これで2.3杯はいける。ビールでのどが潤んだ後は、泡盛の炭酸割りAボールにきりかえる。グラスの底から湧き出る泡がなんとも涼やかだ、梅雨の不快感をこれで吹き飛ばせる。つまみは、キャベツの芯と紅しょうのかき揚げーキャベツ太郎ーが絶妙なマッチング、さらに、じーまみ豆腐の天ぷらなどはもうフグの白子と思って素直に召し上がったほうがいい、いつのまにかAボールのグラスの底に穴が空いたかと思うぐらい中身が消えていく。


 こういう昼呑みをやったみたい。左手にはいつものスマホはやめて、文庫本を開いてみる。夏目漱石や三島由紀夫であれば文学青年に、カントやハイデッカーだと哲学青年にと、昭和にみられた時代おくれの男を気取ってみる、誰に気兼ねなく一人静かに飲るのが昼呑みの醍醐味でもある。夜の喧騒の中で楽しく飲るのもいい、が、たまには我が身と向き合いながら盃をかたむける、孤独の酒。これよし!とある酒仙が語っている。

 世界では昼呑みが主流だという、これまで日本社会の道徳観が昼呑みを許さなかった。が、時代は変わった。昼呑みの文化が広がることで、夜呑みの社会が健全化されることは間違いない。

 さアー、昼呑みをはじめよ~

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